#59 「ほしいもの」
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今「ほしいもの」を尋ねられたら、皆さんは何と答えるでしょうか。ここに描かれた「私」の「ほしいもの」は、「小さな絨氈」です。それも単なる絨氈ではなく、時間が積み重ねられた愛着と記憶を宿した「古びた」絨氈です。詩を書くにも、洗濯をするにも、ミシンをかけるにも、それぞれに集中したいと願いながら、家事や家族のことに心を配り続ける「私」。一つ一つに心を込めていたいと思いつつも、マルチタスクを求められる日々。だからこそ、「小さな絨氈」を拡げてただ一つのことに集中する時間を持ちたいと切に願うのです。「小さな絨氈」とは、自分だけの時間や空間を象徴するもの。それさえも手に入れられない「私」の心の内を表しています。一方で、もしもこの「小さな絨氈」が手に入ったらどんなにいいだろうと考えることは、夢みることであり、準備することでもあります。私たちは皆、心の中に「小さな絨氈」のようなものを求めているのかもしれません。ひとつのことに没頭するための場所や時間を。現実を嘆く「私」が「小さな絨氈」を願うことは、ひとつの力になるのではないでしょうか。<文・白根直子>
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