Episodios

  • 投資家が見過ごしていた強気シグナル
    Jan 5 2026
    2026年の米国株を押し上げる公算が大きいものの、投資家が見落としているかもしれない主な材料について、弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがお話しします。このエピソードを英語で聴く。 トランスクリプト 本日は弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、市場に作用する諸々の力がひとつにまとまり、2026年に対する弊社の強気な見通しを補強していることについてお話しします。このエピソードは1月5日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。新年を迎えるときには、将来のことに目を向けるのが普通です。ですが今日はあえて一歩戻り、市場が見落としていることについてお話ししたいと思います。いくつもの強気な材料が勢ぞろいしているのに、それらが一つにまとまってもたらす総合的な影響を、市場はまだ過小評価しているからです。堅調な増益基調、FRBによる追加利下げなど、個々の好材料は大いに注目されています。しかし弊社がみる限り、本当に重要なのはこうした力がお互いを強めあっていることです。規制の緩和、プラスの営業レバレッジ、緩和的な金融政策、そして景気を下支えする性質をますます強めている財政政策。これらはすべて、同じ方向に作用しています。今年の後半には中間選挙も予定されており、こうした政策手段は今後も景気を支える方向に維持されそうです。重要なのは、私が思い描く展開がまだ相場に織り込まれていないことです。循環株の売買ポジションは比較的軽いままで、景気敏感株に対する投資家の心理は熱狂には程遠い――。この組み合わせ、すなわちファンダメンタルズの改善と慎重なポジションという組み合わせは、回復の初期段階の特徴そのものであることが多いのです。私は引き続き、こうした追い風が最も過小評価されているのは循環株だとみています。業種でいえば一般消費財、金融、資本財・サービス、そして中小型株です。弊社が追跡している指標の多くは、まさに上向き始めたばかりです。私にはもう、これはサイクルの終盤には見えません。むしろ、私が「ローリング・リカバリー」とみなしているものの初期に見えるのです。投資家が躊躇(ちゅうちょ)してしまう理由の一つは、従来型の景気循環指標、とりわけ米供給管理協会(ISM)による製造業購買担当者景気指数(PMI)がさえないことに求められます。これらの指標が明らかに再加速するまでは、循環株の売買の推進がためらわれるのです。そしてこの躊躇の根底には、米国経済が「グロース・スケア(成長失速への警戒)」に逆戻りしないだろうかという根強い不安感があります。私は違う見方をしています。私は、3年間に及んだローリング・リセッションは 去年 昨年4月の「解放の日」をもって終わったと考えています。もしその通りであれば、伸び悩む雇用関連統計におけるいくぶん弱い動きは、株式にとっては前向きな材料となります。FRBのハト派的なスタンスがその分長期化し、かつ強化されるためです。まさに株価にとっては好材料です。私は、主要なマクロ経済指標は2025年下半期に底を打ち、2026年がその再加速の年になるとみています。より長いサイクルの分析もこの見方を支持しています。具体的には、ISM製造業PMIの45ヵ月サイクルが反転を示しています。この指標の回復は遅れていますが、取り消されたわけではありません。もうひとつ、十分に注意が払われているとはとても言えない追い風として、エネルギー価格をあげることができます。特にガソリン価格はほぼ5年ぶりの安値水準にあり、低中所得の消費者には経済面の大きな救いとなっています。こうしたクッションは重要です。経済のほかの部分が堅調な時は特にそうです。この週末にベネズエラで起きたことも、長期的には原油価格を押し下げそうです。次はセクターごとに見ていきましょう。規制緩和の恩恵を享受するセクターの筆頭は金融です。こうした変化を見越して、金融株は過去1年間、高...
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  • 弊社の2026年Outlookに対する投資家の賛否について
    Dec 16 2025
    弊社チーフ債券ストラテジストのヴィシー・ティルパターが、モルガン・スタンレーの2026年グローバル見通しに対するお客様からのフィードバックにお答えします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、弊社チーフ債券ストラテジストのヴィシー・ティルパターが、2026年の弊社見通しに関して、特に議論を呼んだテーマを選んで、お寄せいただいた御意見について考察します。このエピソードは12月16日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。数週間前に、弊社はグローバル経済および市場に関する2026年の見通しを掲載したOutlook(アウトルック)を発行しました。その後、アウトルックで示した重要なテーマについて、世界中のお客様と幅広い会話や意見交換、議論を重ねてまいりました。いただいたご意見は、強い賛同から鋭い反論まで多岐にわたり、その間には多くの微妙に異なるご意見がありました。こうした対話、特に反論は、弊社の前提を再検証し、思考を磨く上で非常に重要であると考えています。AIおよびデータセンター関連の設備投資に対する前向きなスタンスと、クレジット市場の役割が極めて重要であるとの弊社見解は、特に注目を集めました。弊社の2026年の設備投資予想は、今後数年間、コンピューティング需要が供給を大きく上回るという強い確信に基づいています。弊社は引き続き、公募、私募両方の無担保、仕組み債、証券化商品を含むクレジット市場が、次なるAI主導の投資の波を支える資金調達の中心になると確信しています。ここで重要なのは、この支出がマクロ経済の状況、つまり金利や経済成長率の水準に対して比較的鈍感であると考えられる点です。AI投資の規模については、弊社の経済予想に対して「もっと高い成長になるのではないか?」というご指摘がありました。これは複数年にわたるプロセスであることから、成長への影響も長期にわたると弊社は考えています。米国クレジット・ストラテジストは、投資適格債、いわゆるIG債の供給について、発行総額が前年比25%増の2兆2,500億ドル、純発行額が前年比60%増の1兆ドルと予想しており、大きな注目を集めました。この発行額の弊社予想に対して反論がありました。設備投資が売上高の成長を上回るペースで拡大し、フリーキャッシュフローを圧迫するため、その間はクレジットが資金調達の重要な手段となるためです。なお、弊社が予想している発行増の主因はAIだけではありません。M&A活動の活発化と、それに伴う買収資金調達を目的としたIG債の供給増加も重要な要因になると考えています。また、信用スプレッドが小幅に拡大するとの弊社予想にも反論がありました。IG債のスプレッドは15bp前後拡大すると弊社は予想しており、供給の急増にもかかわらず、過去のレンジの下限付近にとどまると考えています。より大幅な拡大を予想する声もありましたが、AI関連の新規発行の大半は、現在、株式市場におけるウェイトに比べてクレジット市場における構成比が小さい、ダブルA格からトリプルA格の高格付けの発行体によるものになると弊社は見ています。さらに、今後2回の利下げによる金融緩和政策の継続、景気の緩やかな再加速、利回りを重視する投資家からの需要の持続が、スプレッドを下支えると考えています。弊社のマクロストラテジストは、2026年を、各国中央銀行が均衡点に近づく中、協調的な引き締めから非協調的な正常化に向かう、世界の金利にとっての移行の年ととらえています。この見方は、概ね好意的に受け止められました。また、国債利回りが概ね総じてレンジ内で推移するとの見通しも同様です。ただし、FRBの政策がハト派寄りに傾くことを市場が織り込むという見方は、かなりの議論を呼びました。イールドカーブのスティープ化については広く合意がありましたが、スティープ化が...
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  • 市場の安定がFRBにとって重要な理由
    Dec 15 2025
    FRBが毎月400億ドルの米国債購入を再開することを決定しましたが、その意味について、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストの マイク・ウィルソンがご説明します。 このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、先週のFRBの決定と、それが株式にとって何を意味するかについて、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストの マイク・ウィルソンがご説明します。このエピソードは12月15日にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。先週のFRBの会合は、弊社の前向きな2026年株式見通しをさらに後押しするものとなりました。FRBは予想通りタカ派的な利下げを実施しましたが、労働市場がさらに軟化すれば、追加の措置を取るとも示唆しました。利下げ以上に重要だったのは、FRBが資産購入の再開を決定したことです。具体的には、FRBは金融市場の円滑な運営を確保するため、毎月400億ドルのTビルの購入をすぐに開始する予定です。発表前に投資家と話をした限り、この購入額とタイミングは、コンセンサスや私自身の予想を上回るものでした。また、これは私が数ヶ月間議論し、来年の見通しでも強調してきた重要な洞察を裏付けるものです。まず、FRBは市場から独立しているわけではなく、市場の安定性が、完全雇用と物価安定という定められた二つの使命を超えて、FRBの政策において主要な役割を果たすことがよくあります。次に、債務と赤字の規模を考えると、FRBには財務省が政府資金調達を行うのを支援する追加責任があり、この関連で今後も財務省とより緊密に連携していく可能性が高いでしょう。最後に、予想よりも早く、より積極的に資金調達市場に介入するという決定は、FRBの定義する「量的緩和」ではないかもしれません。しかし、これは債務の貨幣化の一形態であり、特に財務省が長期国債よりも短期国債を多く発行する中で、依然として増加している米国債発行によるクラウディングアウトを直接的に緩和するものです。FRBの10月の会合では、流動性の引き締まりについて若干の懸念が示されましたが、私はこのポッドキャストで、これが株式の強気相場にとって最大のリスクであると述べてきました。流動性の引き締まりの証拠は、暗号資産や利益の出ていない成長株など、流動性に最も敏感な資産価格の動きに見られます。FRBはこれらの資産クラスのパフォーマンスにはあまり関心がないかもしれませんが、債券、信用、資金調達市場の金融安定性には関心があります。これが、FRBが大方の予想よりも早く、より大規模な形で資産購入を再開した理由でしょう。先ほど述べたように、短期国債の発行を今後増やすという財務省の目的を踏まえ、弊社はこれを債務の貨幣化の一形態と見ています。さらに重要なのは、これらの購入が市場に追加の流動性を提供し、利下げと組み合わせることで、FRBがインフレ目標の未達をそれほど心配していないことを示唆している点です。これは「経済を過熱させる」という2021年初頭から続く弊社のシナリオに極めて合致しています。念のため申し上げると、インフレ加速は、FRBが2022年のように「パンチボウル」を取り上げざるを得なくならない限り、資産価格にとってポジティブな要因です。皮肉なことに、短期的なリスクは、このように予想よりも大規模な資産購入プログラムであっても、市場が円滑に運営されるために必要な準備金の水準をFRBが大幅に過小評価していた場合、不十分になる可能性があるということです。これは2019年に起こったことであり、FRBがそもそもスタンディング・レポ・ファシリティ(常設レポファシリティ)を作った理由です。しかし、これはどちらかというと必要に応じて使われるツールです。FRBが円滑に機能する金融市場に必要な準備金の水準を過小評価していた場合、市場が求めたり、必要...
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    7 m
  • クレジット・サイクルは過熱しているのか?
    Dec 12 2025
    2026年にはクレジット・サイクルが燃え尽きる前にさらに熱く燃え上がるかもしれない――そう考えられる理由を、弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者の アンドリュー・シーツがご説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、コーポレート・クレジット・リサーチ責任者の アンドリュー・シーツが、2026年のグローバル・クレジット市場の見通しについてお話しします。、クレジット・サイクルが燃え尽きる前にさらに熱く燃え上がるかもしれないと弊社が考える理由をご説明します。このエピソードは12月12日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。まさかこんな状況が続くはずはない――2026年のプランを練っているグローバル・クレジット投資家の多くは、おそらくそうつぶやいているでしょう。米国とアジアでは、クレジット・スプレッドが25年以上前に見られた水準にまで縮小しています。社債の発行はますます活発になっており、企業の設備投資も急増しています。格付けが最も低い社債の市場では、プレッシャーの兆候がはっきりうかがえます。そして、クレジット投資家は心配するように教育されています。こうしたことはすべて、いやこれ以外の現象も、クレジット・サイクルが自らの重みに耐えられなくなりひび割れし始めている兆候なのではないか、というわけです。まだそこまでは達していない、というのが弊社モルガン・スタンレーの見方です。弊社はむしろ、2026年にはクレジット市場が燃え尽きる前にさらに熱く燃え上がるだろうと考えています。その理由の一部は、異例なほど景気刺激的な環境に求められます。まず、中央銀行が金利を引き下げています。政府は支出を増やしており、規制も緩和されつつあります。おまけに、人工知能(AI)関連の投資サイクルは一世代に一度あるかないかの巨大な投資サイクルかもしれません。こうしたことが相まって、リスクを取ることができる企業セクターはさらにリスクを取りにいく公算が大きいと思われるのです。そのため、来年のクレジット投資の方針は2005年や1997-1998年のそれによく似たものになるだろうと弊社ではみています。どちらの時期も設備投資、企業買収活動、金利、そして失業率という4種類の指標の水準が、弊社の来年の予想値にかなり近いのです。そして2026年を展望するにあたっては、これら2つの時期が相反する2つの見方を提示してくれます。2005 年は、低所得の消費者が本当に苦労し始めているものの、すなわち、当時は中国でしたが、今日ではAI投資がそれにあたるかもしれませんが、別の力が作用して市場全体は好調を維持しているという時期に近いのかもしれません。一方、1997年や1998年は、新しいテクノロジーは本当に世界を変えていくと投資家が確信を強めている時期に近いと言えるでしょう。当時の新しいテクノロジーはインターネットでしたが、今日のそれはAIです。この状況が変わっていくうえで重要になるのは社債の発行状況だろう、と弊社では考えています。これは各地域にとって大きなテーマであり、米国、欧州、そしてアジアのクレジット市場全体に対する弊社見解の重要なポイントのひとつでもあります。来年の米国市場における投資適格社債の純発行額は2025年に比べて60%以上多くなり、計1兆ドル前後に達すると弊社では予想しています。この発行額増加の原動力は、設備投資と企業買収が幅広いセクターで増えることに加えて、テクノロジー企業によるAIへの投資が増え続けることにあります。これらの社債がすべて市場で売りに出されれば、それに応じて米国のスプレッドは拡大せざるをえなくなるでしょう。高利回りのおかげで社債購入需要が非常に旺盛な場合でも、そして景気が最終的に持ちこたえる場合でも、スプレッドは拡大するのです。欧州やアジアの投資適格社債、そして...
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    8 m
  • AIが電力経済に革新を起こす
    Dec 2 2025
    弊社の南アジア・エネルギー担当アナリストのマヤンク・マヘーシュワーリーが、AIによる前例のない電力需要が今後数年間で電力業界をどのように変革するかについて解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、弊社の南アジア・エネルギー担当アナリストのマヤンク・マヘーシュワーリーが、AIと電化が世界の電力のルールをどのように書き換えているかについてお話しします。このエピソードは12月2日 にシンガポールにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。もし最近、電気料金が上昇していると感じたり、AIに関する話題がニュースで頻繁に取り上げられていると感じている方がいらっしゃれば、それはあなただけではありません。私たちの電力の使い方、そして必要性は急速に変化しており、一般家庭から大手テック企業まで、すべての人に影響を及ぼしています。世界の電力消費は、過去10年余りで最も速いペースで急増しています。年間需要は2030年まで毎年1兆キロワット時以上増加する見込みであり、その成長の5分の1近くはAI主導のデータセンターによるものです。弊社では、2028年までにデータセンターへの投資額が およそ約3兆ドル、2028年までの3年間で電力消費の伸びがおよそ約126ギガワットに達すると推計しています。これはカナダの年間電力消費量にほぼ匹敵します。このような状況下で、電力価格はさらに上昇する見通しです。2024年の最新データによると、世界の電力セクターへの投資は過去最高の1兆5,000億ドルに達し、消費者の電力価格はおよそ約15%上昇しました。2030年までには、米国の電力市場が世界のデータセンター電力消費の半分を占めるようになるでしょう。また、アジアでも米国のハイパースケーラー需要のおよそ約15%が波及し、アジアの一部の電力市場がさらに逼迫する要因となります。電力消費が増加する中、電力の販売価格と発電コストの差、いわゆる「パワースプレッド」は15%近く拡大すると予想されます。この利益率の拡大は、発電会社の業績予想を押し上げ、電力サプライチェーン全体で3,500億ドルの価値創出につながる可能性があります。一方で、長年にわたる電力網への投資不足がボトルネックを生み、新たな投資の波を引き起こしています。業界は、天然ガスやエネルギー貯蔵、その他の新技術への依存を強めるとともに、再生可能エネルギーの選択肢も支援しています。2024年にはガスへの投資が過去最高を記録し、2026年以降はガスが新たな世界的な発電源となる見込みです。今後、天然ガスは中国を除く世界の新たな電力需要のおよそ約5分の1を担うと予想されます。また、原子力も投資拡大の好機を迎えており、(エネルギー貯蔵である)バッテリーもデータセンターや中国などの市場で新たな投資が進んでいます。今後、電力業界は予想外の変化と機会に満ちた数十年にわたる変革期を迎えます。化石燃料と非化石燃料の協業増加、段階的な価格設定の導入拡大、スポット市場やビハインド・ザ・メーター(BTM)市場における販売急増などにより、長期的かつ高水準のパワースプレッドが続くでしょう。ガス、原子力、エネルギー貯蔵、燃料電池のサプライチェーンは、特にアジアと米国で価格決定力が強まり、新たな成長機会を得る見通しである一方、電力網運営者は投資増加と収益改善の恩恵を受けます。逆に、純粋な太陽光・風力発電事業者は、アジアでコスト上昇が続く可能性がありますが、これは米国や欧州でも既に見られる傾向です。世界の電力網がバッテリーや安定した化石燃料供給への依存を強め、AIや製造業の国内利用など、電力サプライチェーン全体の需要増加に対応していくためです。結局のところ、AIと電化が電力需要を加速させる中で、本当の課題は再生可能エネルギーを増やすことだけではありません。強靭で柔軟な電力網を構築し、新しい...
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    6 m
  • 2026年の米国成長を牽引するもの
    Nov 25 2025
    弊社米国チーフエコノミストのマイケル・ゲイペンが、2026年に成長・インフレ・AI革命がどのように展開するかを解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、弊社米国チーフエコノミストのマイケル・ゲイペンが、2026年の米国経済見通しについて、成長・インフレ・雇用・米連邦準備制度理事会にどのような影響があるのかを解説します。このエピソードは11月25日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。2025年が急速かつ大胆な政策変更の年だったとすれば、2026年はその余波が落ち着く年です。去年 昨年、主に厳しい貿易・移民政策の影響で、成長が低迷し、インフレ率がなかなか下がらないと弊社は予測しましたが、これは的中しました。しかし今年は状況が変わりつつあります。米国経済はようやく高い不確実性の段階を脱しつつあり、2026年には1.8%、2027年には2%の緩やかな成長に戻ると見込んでいます。インフレ率は落ち着くものの、FRBの目標である2%には届かない見通しです。2026年末までには、ヘッドラインPCEインフレ率が2.5%、コアインフレ率が2.6%となり、いずれも2027年を通して2%を上回る水準が続くと予想しています。つまり、インフレとの戦いは終わっていませんが、最悪期は過ぎたと言えるでしょう。 従って、2025年が「成長低迷と粘着するインフレ」だったとすれば、2026年と2027年は「緩やかな成長とディスインフレ」と表現できます。貿易・移民政策の影響は薄れ、経済環境は改善する見通しです。現在、いくつかのリスクも残っています。関税が消費者価格を一時的に押し上げる可能性があり、企業が関税分を価格に転嫁できなければ追加のレイオフが懸念されます。しかし、2026年後半以降は、これらのリスクが好転し、成長にプラスのサプライズが期待できる状況になると考えています。結局のところ、AI関連の設備投資は引き続き堅調で、富裕層の消費も好調です。楽観的な見方ができる理由がある一方で、最も可能性が高いシナリオは「緩やかな成長への回帰」です。米国の消費者は立ち直り始めますが、そのペースはゆっくりです。関税の影響で2026年前半は物価が高止まりし、低・中所得層の購買力が圧迫されます。これらの層は主に労働市場からの収入で消費を行うため、インフレが落ち着き始めるまでは購買力が制約されるでしょう。実質消費は2026年に1.6%、2027年に1.8%増加する見込みですが、急成長とは言えません。主な要因は、移民制限や関税の影響で雇用が抑えられ、雇用市場が依然として「低採用・低解雇」モードにあることです。失業率は2026年第2四半期に4.7%でピークを打ち、年末までには4.5%へと低下すると予想しています。雇用は存在しますが、労働市場は活況とは言えません。関税の影響が吸収されるまでは、雇用が上向くのは難しいでしょう。雇用が冷え込むと、FRBが動きます。FRBは利下げを進めていますが、これはコストを伴います。9月と10月にそれぞれ0.25%の利下げを行った後、2026年半ばまでにさらに0.75%の利下げを実施し、目標レンジは3.0~3.25%になるとみています。これは労働市場の弱さに備えるための措置ですが、その分インフレ率が目標を上回る期間が長くなります。つまり、FRBは綱渡りのような状況で、雇用重視に傾きすぎればインフレが長引き、インフレを重視しすぎれば成長が鈍化します。今のところ、FRBは雇用重視の姿勢を選択しています。AIによるマクロ経済への影響はどうでしょうか。AIは確実に主要な成長ドライバーです。AI関連のハードウェア、ソフトウェア、データセンターへの支出は、2026年・2027年ともに成長率を0.4ポイントほど押し上げます。これは全体の成長のおよそ20%に相当します。ところが、輸入によってその効果は希薄化します。輸入技術を考慮すると、AIの正味の寄与は大きく減少します。それでも、2027年...
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    8 m
  • 強気相場はFRBを注視している
    Nov 24 2025
    モルガン・スタンレーの最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、ポートフォリオの見直しを提案する理由について、マーケットの動きと金融政策のギャップに留意しながら解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、短期的にも、中期的にもFRBが今後の株式市場のパフォーマンスの鍵を握る可能性がある理由について解説します。このエピソードは11月24日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。9月末に弊社は、政策金利と流動性の両面で、FRBと市場の間の緊張が高まっており、これが短期的な調整につながる可能性があると説明しました。実際にそのシナリオが進行しています。9月には高モメンタムの低クオリティ株が、流動性の引き締まりにより大きく反応した一方で、S&P500やナスダック100といった高クオリティ株は、10月29日のFOMC会合で示された利下げに対するタカ派的見方の強まりにより大きく反応する形で、このシナリオが実現しています。S&P500の下落幅は5%にとどまっていますが、水面下ではより大きな痛手を受けており、上位1000銘柄のうち3分の2が10%以上、4分の1が20%以上下落しています。同様に、ビットコインは30%近く下落し、モメンタム株よりも早くピークを迎えました。金もやはりS&P500よりも早く流動性の引き締まりから影響を受けています。私たちは金融政策に関連したこの動向を引き続き注視しており、短期的には株価指数がさらに下落する可能性も否定できません。特に市場の広がりが弱い状態が続く場合は注意が必要です。ただし、水面下の弱さは、市場の一角で低迷が始まったのではなく、今回の調整が終わりに近づいているサインと考えています。過去の例を見ても、調整の終盤には主力銘柄が最も大きく下落する傾向があります。9月のポッドキャストでも述べたように、このような調整や期待値のリセットは、コンセンサス予想と依然、異なる弊社の「ローリング・リカバリー」シナリオに基づく投資を強化する好機と考えています。民間部門の労働市場データには、FRBのより積極的な利下げを示唆する、低迷の兆しが見られます。これは、今年4月に株価の底打ちとともに労働市場データの変化率が底を付けたと見る私の中核的見解とかなり一致しています。FRBが待っている政府の公式な労働データの発表は遅れており、弊社や市場がすでに知っていることを後から確認するだけです。10月の公式の雇用統計は政府閉鎖のため発表されず、11月分も12月16日まで発表されません。そのため、株式市場はFRBの重い足取りと利下げの遅延を相手に引き続き格闘する可能性があります。良いニュースとしては、政府再開に伴い、今後数週間で財務省一般口座(TGA)残高が大幅に減少する見込みです。これは、FRBによる量的引き締めの終了と同じタイミングで、待望の流動性拡大を助ける見込みです。問題は、これらの変化が流動性環境を持続的に改善するのに十分かどうかです。私の見解では、最も明確なサインとなるのは、今後2週間で、こうした動向に最も敏感な株式や資産クラスに改善が見られるかどうかです。つまり、株式市場では低クオリティで利益の出ていない成長株が最も大きく上昇するはずです。結論として、私は今後12カ月のS&P500および株式全体に対する弊社の強気見通しに引き続き確信を持っています。最近発表した2026年の見通しに対する投資家からの初期反応を見ると、弊社の中核的見解のいくつかは依然としてコンセンサスとは異なります。具体的には、弊社は「初期サイクル」局面にあると考えており、コンセンサスが「後期サイクル」と見ているのとは異なります。利益成長率も弊社は17%と見ており、コンセンサス予想の14%を上回っています...
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    7 m
  • AI設備投資ブームで試されるクレジット市場
    Nov 21 2025
    市場でAIバブルの可能性が取りざたされています。今回は弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが、債務証券需要の増加がもたらすインパクトについて、ひとつの見方をご紹介します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが、クレジット市場が直面するかなり異例な困難についてお話しします。このエピソードは11月21日 にシンガポールにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。クレジット市場を芯まで揺さぶった世界金融危機から15年を優に超える歳月が流れました。あれがどれほど極端な時期であったか、言い表すのは容易ではありません。普通に見られた関係やバリュエーション・アプローチが数多く崩れました。クレジット損失は80年ぶりの規模に膨らみました。私は、この記録は次の80年間も破られずに残ると思いますし、そうであることを希望しています。ただこのショックは、クレジット市場の光明を伴ったものでした。銀行のバランスシートが膨張しすぎ、かつ複雑になりすぎたことで生じた危機が過ぎると、バランスシートは縮小し、簡素化されました。資本市場が突然閉鎖される事態を目の当たりにした企業は、手元の現金を積み増しました。保守的な資金運用に自ら乗り出すケースも少なくありませんでした。米国における債務の残高を長期にわたって増やし続ける原動力だった住宅市場は、貸出基準が著しく厳格になったことで、借入額が全体に減少することとなりました。これらのトレンドには共通するテーマがひとつありました。それは債券の供給減少です。クレジット市場はその後、ボラティリティの急上昇に何度も見舞われました。しかし、それらは総じて言えば、ユーロ圏危機とか新型コロナウィルスのパンデミックなど、マクロ経済に関する懸念により引き起こされたものでした。また、2010年代半ばにおける石油関連セクターの不振や、2023年のシリコン・バレー銀行の破綻など個別企業の問題によって起こされる場合もありました。需要の水準に比べて借入額が多すぎる、だからクレジット市場が下落するという考え方自体が、問題になることはありませんでした。たしかに、今まではそうでした。このプログラムでも以前お話し申し上げたように、足元ではテクノロジー企業による設備投資額のとてつもない増加が進行中です。クラウドや人工知能(AI)の分野における各社の目標を支えるインフラを整備しようとしているのです。モルガン・スタンレー・株式リサーチの推計によれば、最大級の投資を行う企業は合計およそ4700億ドルの支出を年内に決定し、来年にはその額が6200億ドルに増えるそうです。合計1兆ドルを超える投資がたった2年のうちに行われる計算です。おまけに、その額はまだ伸びています。この支出には非常に強い勢いがあります。投資主体の企業は莫大な金融資源を有しており、この投資を会社の将来にとって非常に重要なものとみなしているからです。しかし、こうした投資の原資は、どこかから調達しなければなりません。投資主体は多額の利益を計上している企業であることが多いため、弊社では、投資額のおよそ半分は各社のキャッシュフローから捻出されるとみています。残りの半分については、債務市場が大きな役割を担うでしょう。これらの企業は高い格付けを得ていることが多く、その分借り入れ余力も大きいとなれば、特にそうです。そしてここ数週間で、債務市場の蛇口は開かれました。ハイパースケーラーと称される巨大テクノロジー企業数社が一度に数百億ドルの資金を、それも続けざまに借り入れています。ここでよい知らせがあります。この新規借り入れはディスカウントで発行されており、発行体は既存の債務の場合よりも少し多い金額を投資家に返済...
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    7 m
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