• 原油市場は景気後退を警告しているのか

  • Apr 29 2025
  • Duración: 7 m
  • Podcast

原油市場は景気後退を警告しているのか

  • Resumen

  • グローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツが、値動きの大きい現在の原油市場と、予想される年内のマクロ経済シナリオについてお話します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。グローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツ本日はグローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツが、原油市場の不確実性と予想される年内の相場展開についてお話します。このエピソードは4月29日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。現在、エネルギー転換が進んでいるにもかかわらず、世界のエネルギーシステムの土台は依然として原油市場です。そして原油市場で最も重要な価格はブレント原油価格です。従って、原油価格の変動は、ガソリンスタンドのガソリン価格を当然気にする平均的な消費者だけでなく、さまざまな産業やセクターに多大な影響を及ぼす可能性があります。これを念頭に、世界の原油市場で最近何が起きているのか考えてみましょう。今月に入りブレント原油価格は急落し、わずか2営業日で終値が1バレル当たり75ドル前後から65ドルへと12.5%下落しました。下落の主な要因は2つありました。1つ目は、トランプ政権による相互関税の発表をきっかけに始まった貿易戦争が、世界経済ひいては原油需要にどのような影響を及ぼすかという懸念です。2つ目は、貿易戦争に伴い原油需要の不確実性が高まっているにもかかわらず、OPECが供給の拡大ペースを加速させ、5月の計画増産の実施を決めただけでなく、予定していた6月と7月の増産分を5月に前倒ししたことです。GDPの見通しが悪化しているときにOPECが増産すれば、これが原油価格の重荷になることは予想がつくでしょう。ではこれは何を意味するのでしょうか。2日間で12.5%下落することはめったにありません。ブレント原油先物市場が1988年に創設されて以来、これほど大きな下落を記録したのは24回だけで、そのうち22回は景気後退と同じ時期でした。このため、最近の相場下落を景気後退が迫っている兆候ではないかと指摘するコメンテーターもいます。現在、ブレント価格は直近の安値からやや持ち直していますが、足元の貿易懸念や景気の展望、OPECプラスによる原油供給の拡大見通しを反映する形で相場はなおも非常に荒い値動きとなっています。ここ数週間ですでに投機筋が異例なまで大量の売りを仕掛けています。従ってこれを踏まえると、原油価格は当面持ちこたえるのではないでしょうか。しかし、それでも年内にさらなる逆風が吹く可能性があると考えています。弊社は基本ケースのシナリオで、前年比の需要の伸びが今年下期までに日量約50万バレルに減速すると予想しています。今年に入って公表した当初予想は日量約100万バレルでした。需要鈍化とOPECプラスの増産に伴い、原油市場は年末まで日量約100万バレルの供給過多になる可能性があります。こうした見通しを鑑みると、ブレント価格はいずれ60ドル台前半までさらに下落することも考えられるでしょう。とは言え、もっと弱気なシナリオも考えてみましょう。景気後退期に原油需要が継続的に増加したことは一度もありません。このため、関税と報復関税の影響で景気後退入りすれば、原油需要の伸びはゼロに落ち込む可能性もあります。そのような状況では、弊社が現在モデルで推計している供給過剰幅は大幅に拡大し、日量150万バレルを超える可能性があります。その場合、市場の需給を均衡させるにはOPEC非加盟の産油国はもっと大幅に増産ペースを落とす必要があるでしょう。このシナリオでは、供給を必要な水準まで減速させるために、ブレント価格は50ドル半ばまで下がる必要があるかもしれません。その一方で、弊社も市場も需要の影響を過大評価している強気のシナリオもあります。原油需要が現在予想しているほど...
    Más Menos
adbl_web_global_use_to_activate_webcro805_stickypopup

Lo que los oyentes dicen sobre 原油市場は景気後退を警告しているのか

Calificaciones medias de los clientes

Reseñas - Selecciona las pestañas a continuación para cambiar el origen de las reseñas.