世界の女性リーダーを描くブレイディみかこ『女たちのポリティクス』を読む Podcast Por  arte de portada

世界の女性リーダーを描くブレイディみかこ『女たちのポリティクス』を読む

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🔶 図書館で出会った一冊

宮脇利充さんが図書館で偶然手に取った『女たちのポリティクス』(幻冬舎新書/2021年刊)を紹介します。刊行から4年が経ったいまも、内容は現在の政治状況に通じる示唆に富み、時間を超えて読ませる一冊だといいます。


🔶 ブレイディみかことは誰か

著者のブレイディみかこさんは1965年福岡市生まれ。イギリス・ブライトン在住のライターで、保育士としての経験も持ちます。代表作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019年)は、英国の多様性や教育現場を等身大に描いて高く評価されました。


🔶 世界の女性リーダーたちが照らす政治の現在地

本書は、メルケル(独)、スタージョン(スコットランド)、蔡英文(台湾)、アーダーン(NZ)など各国の女性リーダーを取り上げます。コロナ禍対応で成果を上げた国々の分析を通じ、「女性だから」ではなく「ずば抜けて優秀だから」トップに押し上げられたという、ジェンダーを超えた資質論が示されます。決断の速さや推進力、的確な優先順位付けなど、危機下で光るリーダーシップの共通項が浮かび上がります。


🔶 日本のジェンダーギャップと政治分野の遅れ

世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は依然として下位に位置し、とりわけ政治分野の遅れが目立ちます。4年を経ても構図が大きく変わらない現状に、本書の示唆はなお有効だと宮脇さんは語ります。


🔶 小池百合子と“フェモナショナリズム”

「小池百合子とフェミニズム」の章では、政治信条の一致・不一致を超えて支持が集まる背景を「フェモナショナリズム(フェミニズム×ナショナリズム)」という概念で読み解きます。女性の権利を政治的手段として利用する動きは欧州右派の女性リーダーにも見られ、日本文脈では“おっさん政治”への反発が特定勢力を利する危うさにも注意を促します。


🔶 いま読む意義――「性別より資質」を見抜く眼

コロナの記憶が薄れつつある今こそ、本書は危機下の統治に必要な資質を思い出させます。

女性か男性かではなく、難局で結果を出せる資質を持つ人物を選べているか――有権者の視点が問われている、と宮脇さんは結びます。


話し手:宮脇利充(元RKKアナウンサー)

聞き手:江上浩子(RKK)


〇書籍情報

書名:『女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち』

著者:ブレイディみかこ

出版社:幻冬舎新書(2021年刊)

URL: https://amzn.to/45Qa99y


〇ジェンダー・ギャップ指数

日本の順位:118位/148か国 (2025.6.12発表)内閣府男女共同参画局


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